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大阪地方裁判所 昭和55年(ワ)5339号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

3 本件経営委託契約による法律関係

被告は、本件経営委託契約は建物賃貸借契約と被告の利益を目的とする継続的な有償準委任契約の混合契約たる実体を有している旨の主張をする。

本件庁舎が国有財産法上の行政財産に属すること、原告が同法一八条三項に基づき本件庁舎のうち本件庁舎部分について、共済組合に対し本件使用許可をなしたこと、共済組合が本件使用許可に基づき(ちなみに、<証拠>によると、本件使用許可の付款として、共済組合が本件庁舎部分を使用してする食堂及び喫茶室の経営を第三者に委託することができる旨の規定がある)、被告との間に本件経営委託契約を締結したことは、前記認定のとおりであり、国有財産法一八条五項によると、同条三項に基づく使用については借地法、借家法の適用のないことも明らかである。

そして、<証拠>によれば、本件経営委託契約には、(1)共済組合は、本件庁舎部分と付帯設備を無償で被告に使用させる。(2)被告が提供する飲食品の種類及び価格については、共済組合と協議して定める。(3)被告は毎月の収支計算書、毎事業年度の損益計算書を提出しなければならない。(4)共済組合は、食堂、喫茶室の経営に関する財産経理の状況について監査を行い、改善を指示することができる。(5)共済組合は、被告に委託の趣旨に反する行為等のあるときは催告によらないで、この契約を解除することができる。(6)契約期間が終了したり、解除されたときは、被告は直ちに本件庁舎部分を明渡さなければならない。という趣旨の約定のあることが認められる。

被告が主張しているように、本件食堂及び喫茶室で被告が販売する飲食品の販売価格が市場価格よりも低廉であり、かつ、利用券及び金券の利用による値引きもあり、そのため被告の販売利益が減少しているとしても、前記認定のとおり被告が本件経営委託契約に基づき本件庁舎部分で食堂及び喫茶室を経営する目的は、元来職員に対する福利厚生を図ることにあることに照らすと、むしろ、右販売利益減少相当額は、本件食堂及び喫茶室を利用する個々の共済組合員が享受している利益というべきであり、これを被告が主張するように本件庁舎部分の使用の対価としての賃料相当額の性質を有するものとみることはできない。

以上認定した事実によれば、本件経営委託契約に基づく被告と共済組合との法律関係は、共済組合が被告に本件庁舎部分を無償で使用させて、同組合の監督のもとに食堂、喫茶室の経営を委託したことに基づいて、共済組合と被告の双方の利益を目的とする期間の定めのある無償の準委任関係と、本件使用許可の範囲内で、右経営委託に必要な限度において、共済組合から被告に対する本件庁舎部分の無償の使用許諾との結合した特種の法律関係にあたるものと解するのが相当である。この点に関する被告の主張は理由がない。

してみれば、共済組合の被告に対する食堂等の経営委託関係、本件庁舎部分の使用関係は、いずれも、その約定期間の経過した昭和五五年五月三一日の経過によつて終了したものというべきである。

(福永政彦 小野剛 平井慶一)

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